糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続き、合併症の危険が伴う疾患です。
ブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンの作用によって筋肉や肝臓などに取り込まれ、エネルギー源となります。
ですが、肥満などによりインスリンの作用が弱いと、ブドウ糖がうまく運ばれずに血液中にあふれてしまうのです。
よって治療は、血糖コントロールがカギとなります。
糖尿病の症状について
糖尿病の初期は自覚症状がなく、そのためサイレントキラーと呼ばれるのがコワいところ。
自覚症状があるときにはできるだけ早めの受診をおすすめします。
主な症状としては、強いのどの渇き、急に痩せた、頻尿、全身のだるさ、肌のかさつき、手足のしびれなどです。
とってもコワい合併症
高血糖の状態が長く続くと、全身の血管に障害をきたします。
悪化するとさまざまな機能の低下を招き、精神的・経済的負担は計り知れません。
早く出る症状としては、手足のしびれや発汗異常、立ちくらみなど、末梢神経や自律神経の障害があります。
網膜の血管が障害すれば視力が弱まり、失明の可能性も。
失明した患者さんは年間約4,000人もいるといわれています。
また、腎臓の血管が悪くなると腎臓機能が低下し、人工透析をしなければなりません。
さらに、脳梗塞や脳卒中といった命にかかわる合併症もあります。
糖尿病の検査・治療について
糖尿病の検査は、血糖値を測定する血液検査です。
血糖値と、過去1~2カ月の血糖値の状態が分かるHbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値により「再検査」や「糖尿病」、「糖尿病の疑い」などの診断をします。
治療法は、食事療法、運動療法をベースに、患者さんの理解に合わせて薬物療法を組み合わせて進めていきます。
糖尿病は、とくに男性はアルコール、女性は間食を多くとる人がなりやすい傾向にあり、食事療法ではそういった過剰摂取に注意しながらバランスのよい食生活を送るようにします。
また、合併症がある場合は運動が制限されることもありますので、医師の指導のもとで適切な運動をしていくことが重要です。
治療は時間がかかることもあり、残念ながら途中でやめてしまう方もいます。来院は月に1回程度です。
理解と納得がいただけるよう、しっかり丁寧な説明と指導のもと、患者さんと一緒になって治療に取り組んでいきたいと思います。